三菱一号館美術館 「印象派からその先へ」 展へ
三菱一号館美術館
印象派からその先へー世界に誇る吉野石膏コレクション展
2019年10月30日(水)~2020年1月20日(月)
今年、楽しみにしていた印象派のコレクション展の一つ。
詳しい説明は展覧会HPに譲りますが、フランス近代絵画におけるミレー、コローといった、バルビゾン派等印象派登場直前の絵画から、印象派の誕生、展開、その後のピカソ、シャガールといった前衛絵画への展開が一望できるコレクションでした。
何気ない普段の情景を描いた風景画、人物画から、特にモネやセザンヌ辺りで一挙に抽象度が高まる一連の流れは、非常に見ごたえがあります。
そしてその後、印象派が切り開いた新たな表現の地平線をさらに開拓するかのように、キュービズムや表現主義、抽象絵画といった前衛作品が生まれていきます。
https://mimt.jp/ygc/highlight.html
印象派とその後の様々な系譜の絵画を並べてみると、世界の見方と表現の仕方が、いかに自由に多様化していったか、そして画家たちが独自の表現を追い求めて奮闘していったかが、非常によくわかります。
こちらの展示室は写真撮影コーナー
展覧会を代表する作品の複製画が展示されています。
本物の作品を撮影するのは難しいですが、個人的にはこのようなコーナーをどんどん設けていってほしいです。
特に子供やあまり絵画そのものが大好きでない人なども、写真撮影を通じて作品を身近に楽しめるきっかけができるのではないかと思います。
ご厚意に感謝しつつ、私も撮影させていただきます。
私の好きな作品、モネの「サン・ジェルマンの森の中で」もありました。
深い瞑想のトンネルの奥の方へ引き込まれるような、なんとも言えない感覚に襲われます。
下部にリンクを載せていますが、今回の展覧会の作品を提供している吉野石膏株式会社さんは、もともと山形県立美術館に作品を寄贈されており、常設展、企画展といった展示の他、対話型鑑賞を通じた教育振興事業にもその作品が活用されているとのことです。
展覧会への寄せ書きが掲示されておりましたので、撮影させていただきました。
このような取り組みは、もちろん東京の大きな美術館でもですが、地方の美術館で少しでも多くの人、特に子供たちの手の届く形で提供されてほしいと思います。
庭園も、安定の趣でした。
冬は木は枯れていますが、低植生の緑が垣間見え、また周囲のカフェやベーカリーショップには人だかりが溢れ、賑やかな雰囲気を醸し出していました。
印象派の絵画に繰り返し描かれたパリの街中もこのような場所であったのだろうかと、ふと勝手に連想してみます。
恐らく今年訪れるのはこれが最後になるかと思いますが、来年も是非展覧会と様々な催しを通じて、丸の内を賑わせてほしいものです。
よいお年を!
関連サイト
展覧会特設HP:https://mimt.jp/ygc/
吉野石膏株式会社の文化活動について:https://mimt.jp/ygc/
各美術館等に対し積極的に積極的な助成活動を行ってるようです。
ベージ下部から、作品リストを見ることが出来ます。
私も今回初めて知ったのですが、明確なポリシーをもって美術の振興活動に従事されており、このような活動やコレクションは、国内外にもっと広く紹介されてほしいと思いました。
吉野石膏美術振興財団:http://www.yg-artfoundation.or.jp/
三菱一号館美術館のすぐそばの新東京ビルに、アートライブラリーがあるようです。