十朋亭 記念茶会へ
開館記念茶会に参加してきました。
受付数分後には満員御礼、何とか滑り込み。皆様の本気度に甘く見ていた自分を反省。
この十朋亭は、史跡の多い山口市内でも特に好きな場所の一つです。
前半は先生方とお弟子さんたちと思われる着物のお客さんばかりでしたが、自分が入るころには家族連れや恐らく素人の方などが殆どで、内心ほっとしました。
まだ2月ながら暖かいまさに茶会日和で、近所の人がふらっと立ち寄る感じの雰囲気に、非常に和まされます。
十朋亭の歴史
ここ十朋亭は、もともとは醤油の醸造で江戸後期に財をなした市中の名家万代家の離れで、明治維新期に藩の改革派達に拠点を提供していたことから史跡となったものです。
当時の山口市内には武家屋敷が少なく、そのように藩臣たちの居所となる家屋は貴重な存在でした。
伊藤博文と井上馨が、下関戦争の勃発に際し英国留学から急遽帰国した際、最初に身を寄せたのもここであったそうです。
武士や藩臣だけでなく、市井の町人が維新において果たした役割、という観点でも非常に興味深い史跡です。
茶会の華といえば、なんといってもお道具
今回催された茶器も、全て万代家が所蔵していたものを使用しているようです。
山口県といえば茶器で有名な萩焼もあり、銘品揃いの茶席でした。(全ての説明を聞くことは出来ませんでしたが…)
初春を感じさせるお花もとてもよかったです。
お茶はかなり薄口で飲みやすい口当たりでした。
(個人的にはもう少し濃いめが好みですが)
建物やお庭も素敵です。
待ち時間が長かったおかげで、十朋亭の中もゆっくりとみることができました。
ここは建築物と当時の遺品等を集めた資料館の二手に分かれており、資料館では万代家の残した資料や書籍も読むことができる。
建物の方は、当時の離れを当時のまま再現しており、一部を除いて中に入って建築様式を間近に見ることができます。
特に、動乱の時代に藩臣たちが身を寄せた建物らしく、2階へ上がる取り外し式の階段や、1階と2階をつなぐ天井の隠し小窓など工夫が随所に見られます。
流し見していると、単なる趣のある日本家屋に見えますが、よく見ると歴史の緊迫感を感じることができる貴重な史跡です。
茶室から見えるお庭も非常にきれいです。
またお茶会に行きたくなる、そんな週末のひと時でした。