備忘 桶川市歴史民俗資料館
今日は少し渋めのコンテンツで笑
お買い物のついでに、隣町の桶川市歴史民俗資料館に行ってみました。
なんと入館料無料。
正しい民俗学の在り方です😁
さてさて、その内容は。
結論から書くとなかなかの充実ぶりでした。
こんな小振りな資料館なのに、ミニ企画展で十一面観音像展?を開催中。
よく見れば近隣のお寺に伝わるものだそうです。
う〜ん。いい。
小柄ながら、落ち着いた趣でとても癒される、良い仏像です。
郷土の歩みを、飾らず弛まず見続けてきた落ち着きを感じさせます。
街のジオラマもなかなか作り込んでました。
そう、ここは、所謂中山道の桶川宿場が在りし場所。
ちなみに宿場の由縁を持つ近隣の土地は他にも上尾、鴻巣、そしてもちろん我が家のある北本など。
ふと見渡すと、秀逸な屏風絵がありました。
江戸の京絵師、横山華山による作品。
農村の人々の生活と生業をありありと描いた、貴重な民俗資料でしょう。
聞けば此処は紅花の産地として有名であったらしく、紅花の栽培、収穫、染め付けの一連の活動やそれによって生きる人々の日々の暮らしの様が非常に詳しく描かれていました。
彩色も精緻で綺麗でした。
素晴らしい…
隙間時間をタダで埋めるには充分な内容でした。
さてさて、余談。
この民俗資料館は、街の公民館と図書館と同じ建物に併設してありました。
そのため、これらの公共施設を訪れ利用する人たちが、自然と目にする環境にあるようです。
実際市民が色々な用でこの施設を訪れているようで、この小振りな規模にも関わらず、私が行った時は駐車場が一杯で暫く入れませんでした😅
これって、とても大切なことなのかな、と。
地方の、特に田舎の民俗資料館とか歴史資料館とかって、往々にして、それ単体で独立して建てられています。
ある程度の規模の街、例えば埼玉であれば川越のように、小江戸の名を冠すような一定の規模とネームバリューを持った街ならば、それらが単体でも「商業」として成立するでしょう。
しかしそうでもない小さな自治体や市町村以下の地域の場合、民俗史的にどんなに貴重なものであっても、それ単体だけで人を集めるのはやはり難しいのではないでしょうか。
私は個人的に、赴任したり旅で訪れた土地のこの手の施設には大抵行きますが、なかなかそんな趣味の人は多くないわけで。
事実行く先々で、貴重な展示品が閑散と祀られているのを見てきました。
それは少し、勿体無いのです。
話は転じて。
最近始まったのではないのかもしれませんが、地方や地域コミュニティーの再生、また文化の継承といったことがよく言われます。
言い換えると、それらは地域の共同体や伝統文化への問題意識なわけですが、限界集落といった言葉に代表されるような過疎化への危機感がそれらの背景にあるのかもしれません。
思うに、コミュニティー(の再生)に必要なのは、過去と、未来です。
そこに集う人たちがいると同時に、それらを支える記憶がある事、そしてそれらを語れる人たちがいることが、重要だと思います。
端的にいえば、学び行く若い人達と、昔を知る歳を重ねた人達が。
そういう人たちが一箇所に集まった時、記憶の集積と再生が未来の創造にリンクするのではないか。
例えば地域の公共施設でそういった伝統文化に関する取り組みや地域資料の保護編纂と、資料の展示を一緒にやり、市民がそこを使えるようにすれば、そこを基点に様々な取り組みが可能になるのではないか。
ふとそんなことを思いました。
纏まってない文章失礼しました。
ではまた!