日々雑感

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福岡アジア美術館ー2019年最初の美術展へ

先日、久々に福岡県を訪れました。すぐ近くですが(だけに)なかなかない機会です。

この時間を活かし、実は今年初となる美術館へ。

1月は予定が合わず、また近所の美術館が一時休館のため美術館を訪れる機会がありませんでした。

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 ここは、昔から大好きな場所です。博多らしく、多様で活気と創造性に溢れています。
モダンを普段余り観ない自分にとっては、アートと美術館の新鮮な側面を感じさせてくれる場所でもあります。

 


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作品はアジアの国々のアーティストのものであるだけに、思い込みかもしれませんが、総じて「アジア的だなぁ」と思う雰囲気。
アジアの画家たちの作品は、西洋に対比しつつ自己のアイデンティティを模索する探求に満ちています。
これらのアーティストは多くの場合、西洋の絵画を学び、西洋の手法に倣いながら、その中で自己の非西洋性を訴え表現しようとしたのでしょう。
ある意味では、表現して鑑賞者に訴えるという行為自体が高度に近代的でもあります。

この存在の二面性、矛盾は恐らくアジアの宿命であり、闇の奥の緞帳のように一見底抜けに明るい作品に重くのしかかっています。
牧歌的であったり荒削りであったりプリミティブであったり或いはローカル過ぎてモチーフの意味がよく解らなかったりする中に何となく胸に迫るのは、そういう精神性なのでしょうか。
むろん私は「絵描き」ではありませんが、仕事や私生活を通じて「西洋」「近代」的なものと接する、或いは感じる機会はあり、そんな自分と作品とを重ね合わせているのかもしれません。
 
アジアの作品展は撮影できませんでしたが、映像作品スペースと、デジタルアート展は撮影することができました。
 
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デジタルを通じて、人の感覚と空間認識に働きかけてくる。
身体感覚からなる美意識って何なのかなと、ふと思います。
 
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美術館の空間もいいです。
改めて行ってみるとアートカフェや企画展以外の作品展示など、訪れた客に近いサービスが色々と眼につきます。
 
こちらはアートカフェ。
これだけでも立派なアート空間。
 
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20時まで開館しているのも、スタッフさんは大変だろうけどありがたい。
こんな場所が増えたらいいのに。
 
*作品等の写真は、許可を得て撮影しております。