日々雑感

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備忘 福岡アジア美術館 葛飾北斎展 等

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皆さん、明けましておめでとうございます🌄

特に遠出はせず、ゆっくりと過ごした今年の正月ではありましたが、移動の合間に、早速初アートに行ってきました。


好きではありますが、考えてみるとこれまで余り観る機会が無かった画家なので、ラッキーでした。

北齋は、「東海道五十三次」や「富嶽三十六景」が有名でしょうが、それ以外にも風俗画や美人画、妖怪画なども描いており、幅広い創作活動が一望出来ます。

特に、上記の作品は、初めて連作を全て観れました。
景色ももちろん綺麗ですが、その道中の土地折々の人々の風俗文化が非常に細かく描かれており、実に面白い。

赤富士、浪富士も素晴らしかった。
誰もが見たことのあるであろう有名な作品ですが、改めて観ると、そのシンプルかつ斬新な構図や、無駄のない色合いに、驚かされます。

こうして懐かしさや驚きの混じり合う中多彩な作品を観ていると、彼が日本人の風景画のイメージに為した働きの大きさを、改めて感じさせられます。

また、図らずも、アンリ・リヴィエールに再会出来たのは、まさに天佑です。

彼はフランス人画家で、ジャポニズの刺激を受け、葛飾北斎の「富嶽三十六景」から着想を得、「エッフェル塔三十六景」を描きました。

此処に作品をお見せ出来ず残念ですが、色彩もタッチも、とても優しく、フランス絵画でありながらも、異国情緒と言うよりは何処かノスタルジアを感じさせる、不思議な感覚に囚われます。

様々な角度からエッフェル塔を見通す構図は極めて自由で斬新です。また、パリっ子の生活風俗がありありと描かれ、オシャレ過ぎず等身大のパリが息遣いを伴って迫ってきます。

いつかは巴里に行きたし。


常設展は、アジア各国の画家の特集で、宗教画から現代アートまで手広く紹介していました。
各国ごとの宗教や社会問題が現れていて、多彩でした。
日本とヨーロッパ以外のアートを観る機会が非常に少ないな、とふと感じた次第です。
日本と西欧という図式で世界を観てしまって、結構色んなものを見落としてるのかもしれませんね。


実に、正月に相応しい気持ちになる展覧会でした^_^

今年のラインナップが、楽しみです。